akiramaの日々のいろいろなエッセイ
世界の名峰 日本の名山で、歯を苦縛り、全身の筋肉を使って崖をよじ登る登山家。庶民ができることではなく、訓練を受け、様々な試練を積み重ねた結果の登山であり、山頂での達成感は、格別なことだろうと思う。
テレビで、日本の山々、世界的に有名な山を登る映像が映し出され、ほれぼれとしながら憧れを感じ、瞬きを忘れて見ている。
ふと考えると、それを映し出しているカメラマンがいるのを忘れてしまいそうだ。で、なければ映像はない。
カメラマンは、孫悟空のように筋斗雲に乗って行くわけでもなく、テレビ用の機材を担いで登り、不安定な場所から撮影をしている。後ろからだけでなく、先行して高みからの撮影もある。歯を食いしばって昇る人を先に登って、撮影するのだから、歯を食いしばっただけでは済まないだろう。
どのような機材を使われるかはわからいないが、両手が自由になるわけではないだろうから、誠に恐れ入る。
カメラマンも相応に登山経験が豊富なエキスパートだろうが、息を荒げて「ハーハー」いうこともできないだろうから、そのご苦労は並のものではない。
山は、すべて人の力だ。救助の方々も、山小屋の食料や機材も、山そのものや登山道の維持補修も、飛び道具や機械が使えるのは、ごくわずかなシーンでしかなく、人力だ。山の仕事をテレビやネットで報じられることも少なくない。山岳救助隊や山小屋や様々な補修維持管理、登山家やガイドだけではなく意外に見る機会がある。それでも、カメラを担いで撮影しているカメラマンが映されることはなく、その存在が希薄になっていて残念だ。
カメラマンがカメラマンを映し、その映像が見たい。それが、山岳カメラマンの方々への称賛にもなろうとも思う。
低山ハイクで、コース途中に「火の用心」という赤い縦文字の小さな看板を目にした。見始めると気になっていて、時折目にする。山で火の用心は当然のことであろうが、やはり「?」という思いがあったところ、ある日そのわけを知った。
電力会社の送電設備巡視点検業務での巡視路の入口だそうだ。発電所で作られた電気を送電する電線やその鉄塔など、野を越え山を越えして、はるか先の消費者に届くが、その送電経路の巡視路の山道だった。「火の用心」の小さな看板は、巡視路への入口だそうだ。
一般のハイカーが間違えないように入口はわかりにくいのだが、入ると整備された山道が続く。並のルートより整備されているようで、普通に歩く目的ならば、我々も歩いて良いそうだ。地図に記されている巡視路も多い。訳が分かると、興味を持つ。野を越え山を越えの送電線は、グーグルマップの衛星写真で見ると一直線に進んでいて、凄みがわかる。この地図もあり、送電線には名称もあり、かなりのマニアもいらっしゃるようだ。
巡視路があれば、巡視される電力会社のご担当がいる。山を登ると同時に巨大な鉄塔も登ら中くてはならない。高いところが得意ではない私には、考えるだけで足元がフワフワして、冷たくなる。
ハイキングコースにも里山にも送電線があるところの付近に「火の用心」が目立たなくポツンとあり、そこが、山で働く方々の仕事場の入口のひとつだ。
昔々の山の仕事は、木こりさんと猟師さんが代表であったと思いますが、山の維持管理はたいへんであったでしょう。大名が、行軍や産業のための山越えの道を整備したり、逆にわざと敵を寄せ付けないように整備をしなかったりもあり、山の仕事たくさんある。雨などによる災害も忘れられない。近年、機械化され重機で作業は大きく変革しただろうが、最後は山の斜面での人力だ。
自然相手の力仕事のひとつだ。