年賀状を書くというより作り始めた。ふとしたことから気づいたことがあった。
パソコンで作って、文面や住所を印刷するのだが、ひとつ目の疑問が湧いた。
プリンターのインクは、不思議と均等になくならない。黒が消費されるのは理解できるが、カラーインクの減り方がバラバラになる。以前、6色タイプを使用していたが、継続的に1色ずつ間隔を開けてなくなっていった。全部いっぺんに無くなってくれたら手間がかからないと思った。今度は、低価格の3色のタイプだが、同様の傾向。
カラープリントをした素材に色の傾向が偏るのかと思ったが、何だろう。そして、代替機種は絶対に違うインクの型番になる。この辺りはメーカーの戦略が見え隠れするが、不思議だ。
同様に、シャンプーとリンスは、まあ男だといつも同じようにワンプッシュをして使うが、絶対にこれも無くなる時期が違う。なぜか。粘度の違いで、手のひらに出る量が違うのだろうか。だから、銘柄を変えず同じシャンプーとリンスを使い続けている。メーカーの戦略なのだろうか。
メーカーには頭の優れた方ががたくさんいて、味の素の売り上げを増やしたいと社員一同が考えた時に、ひとりが穴を大きくしたら良いと。パッパと振る手の動きは一緒だから、消費量が増えるというのは、随分以前に有名になった。
その頃、外資系のガソリンスタンドで、お客の車が来たら「満タンですか」と第一声を訊ねたら、満タンにするお客が増え売上増という話も昭和の時代に聞いたことがあった。
まあ様々なことで、当時は高度成長期の日本を支えたのだろう。でも、プリンターもシャンプーも不思議だ。
子供のころに、味の素をたくさん食べると頭が良くなるという話が、まことしやかに広がった。発信源も不明だし、根拠もまったくない話だが、頭の良くなかった私は簡単に良くなれると信じ、たくさん食べた。気持ちが悪くなるほど食べたが、バカなことをしたものだ。子供というのはろくなことをしないもんで、母親にたっぷりと叱られた記憶がある。未だ、味の素の愛好家である。
ある仲間が、バターを食べてぐるぐる回ると、強くなるみたいなことを言った。私は味の素で叱られ懲りたので、手を出さなかったが、友人はバターを食べて回転する椅子でぐるぐる回り、気持ちが悪くなっただけだった。勿論、根拠も何もない話で、バカなことだ。虎がぐるぐる回り、解けてバターになったという絵本があった。子供のことだから、この話が紆余曲折して、虎のようになれるというようなレベルの低いことだったのだろう。
その絵本、「ちびくろサンボ」というお話で、社会的問題で一時絶版だったが、最近復刻したようだ。サンボは、新しい服を着せてもらい日傘をさして出かけたところ、虎が出てきて、食べられそうになり、服や傘等をあげることで勘弁してもらった。虎たちが服や傘の奪い合いをして、椰子の木の周りをぐるぐると回ったところ、解けてバターになったそうだ。子供の絵本で、通っていた幼稚園で販売され買ってもらった記憶がある。私の本はバターでドーナツを作ったのだったが、パンケーキの本もあるようだ。こんな記憶が60年もたって思い出すのが不思議だ。でも、こんな絵本をかける人は、素晴らしく、まことに羨ましい方だ。
プリンターは、年賀状を印刷して止まった。印刷中に随分いろいろ思いにふけり、味の素の穴の大きさからサンボまで頭の中が廻った。パソコンで作った年賀状にひと言何かを書いているが、住所と名前を見ながら、どうしているかと思うのが年賀状の良さだろう。
ある人の地方の住所を見て、温泉が近くにあったなあと思い出した。
JRの特急に乗って温泉に行くような贅沢も何回かはあった。着くころには、完全にできあがっているからよろしくない。地方の特急停車駅に到着すると、特急ホームに列車は止まる。特急ホームは通称だが、上りだろうが下りだろうが、単線複線関係なく渡り線のポイントをいくつも越えて、ガチャガチャガッチャンと進み、改札口に面したホームに特急は止まった。こうすると乗客は跨線橋の階段の上り下りが無くなり便利なので、特急は改札口のあるホームに着く。改札口の前の車両の多くは、グリーン車であった。特急のグリーン車はすごいんだ。観光地の特急停車駅の懐かしい光景であり、改札口を出ると、旅館の旗を持ったお迎えさんが来ていて、温泉旅館にお客を案内した、昭和の時代だ。ホームと改札口と切符売り場に道路が同じレベルであった。道路から列車が入ってくるのが見えるのが昔の駅の作りで、日本一長いホームの京都駅0番線ホームは烏丸口改札と道路とほぼ面一にあり、新しくなった今も昔の面影を残した京都駅の特急ホームである。始発駅では、上野駅がそうだ。
あーでもないこーでもないと思いに吹けながらも何とか新年の年賀状ができた。はがきが少なくなり、最近はメールが多くなったが、文面を画像で作成してデジタルな中でもアナログ時代のにおいを残すようにして、味気なさを少しでも減らしていたい。
お腹が空いて、古くからある「お腹が空いたブー」のワンタンメンを食べた。物心ついたころからの袋ラーメンは、結構各社健在だ。その頃からある、マルシンハンバークやかっぱえびせん。世代を超えて健在はうれしい。また、改めてこんな懐かしい味を書いてみます。