キハ47改のグリーン車両2連の観光列車快速あめつち
akirama 鉄道散歩 キハ40系を四季の景観の中に見る

あめつちのヘッドマークは「天地」2号車のキロ47-7005という40系
国鉄時代の生き残りキハ40系気動車。首都圏色の生き残りのキハ40と希少な41が走る播但線非電化区間が興味深く散策をするうちに、鳥取県の因美線でキハ40の4連の4列車が鳥取-智頭間を運行しているのを発見、これまた散策に行くようになりました。4連は、もう存在しないでしょうと嬉しさで通います。2025年10月に臨時観光列車快速あめつちが、鳥取-智頭間を運行と聞き、喜び勇んでお出かけでした。
相変わらずのキハ40系ですが、今や絶滅危惧種の希少価値で、下り勾配は速くても、登坂は大の苦手。こんなのがと思うような非力さが、何とも言えなく憎いです。
〇 キロ47 快速あめつち観光列車
〇 因美線をゆっくり走ります
〇 あとがき
キロ47 快速あめつち観光列車
キハ47の2連を大改造して、両開扉も1か所ずつで内装などは、さすがに観光仕様のグリーン車両というほどの出来栄えだそうです。車両は、西日本気動車の大本山 後藤車両でしょうが、内装は様々な業者だとか。
あめつちは、JR西日本が山陰本線城崎温泉駅-鳥取駅-出雲市駅間および米子駅-木次線出雲横田駅間で運行する臨時快速観光列車ですが、木次線の奥出雲おろち号老朽化の後継が始まりです。ただし、木次線の出雲横田駅-備後落合駅間の急勾配は、カットされたそうです。改造でさらに重たくなったキハ47には、酷ですね。
列車愛称の「あめつち」は、山陰地方が舞台の神話が多く収録されている『古事記』の書き出し「天地(あめつち)の初発(はじめ)のとき」に由来するとされています。
1号車(キロ47-7006、元キハ47-192→キハ47-2010)2号車(キロ47-7005、元キハ47-1115→キハ47-3016)機関などの換装、体質改善後の車両をさらにグリーン車両にしたという希少車両です。車両の前面・側面に取り付けられるエンブレムは、「太陽」「神々」「白ウサギ」などがモチーフされているそうで、一味違う雰囲気を醸し出していますが、見栄えは、なじみの40系です。
各所の風光明媚な景観地では、速度を45km/h以下にして展望をするので、こって牛のごとく走るのではなく、牛車のような動きでしょう。キハ40系にピッタリです。

智頭駅に向かって、ここでは快走のあめつち

物見峠の手前、速度20km/hくらいの景観展望状態 彼岸花が咲く里山

土師川沿いに県境に向かって登坂が続く 2両目が1号車 キロ47-7006
因美線をゆっくり走ります
因美線は、かなりのローカル線。しかし、陰陽連絡の智頭急行線の鳥取側連絡路線で、列車の過半数が「特急」という特徴があります。それも大阪-鳥取のスーパーはくとは、5連のディーゼル特急。冬のカニ味覚の繁忙期は、6連でこって牛のスピードで、高速路線の智頭急行線を走ります。冬はかき入れ時で、播但線のはまかぜも6連で全国的に見ても、長編成の定期+臨時列車が日に何本も毎日走るのは、希少なものです。
その因美線、朝の通勤通学タイムは、普通列車もキハ47の4連が走ります。たかが4連かもしれませんが、キハ47が4連というのは、既に他で見れない光景です。全長21.3mの車両は朝のラッシュ時には、大きな効果があるのでしょうし、16.3mのキハ120とでは、大きな違いでしょう。それが、4連です。キハ40系だけでなく、特急に追われても逃げ切れる足を持った智頭急行の普通列車も、何本かが因美線を鳥取まで運用します。朝は、智頭急行車両も2連です。
このような特徴を持ったローカル路線の因美線に臨時観光快速列車のあめつちが2日間走りました。景観を展望させる場所では、速度を落としながらの走行ですが、智頭駅出発からは、岡山との県境の物見峠、景観展望でなくてもキハ40系には難所。轟音を巻きながらのんびり走っています。

キハ47の4連 652D 鳥取行

キハ47 鳥取ラッピングの 655D智頭行

655Dの折り返し鳥取行 656D

鳥取からの智頭行 智頭急行車両2連 きれいなカラーで速い加速
あとがき
キハ40系、いつまで走ってくれるのでしょうか。キハ120のステンレスボディにはなじめないので、長くて非力な40系、もうしばらく頑張れです。この因美線と東隣の播但線、まだ当分は煙吹きながら加速させている40系を見ることができそうな具合ですので、四季折々の移り変わりの景観を見ていきたいです。
どこで撮影しようかと迷ったです。1カ所だけではおもしろくもないし、駅はつまらない。停車時間の長い郡家駅の前後が正解のひとつだったでしょうが、智頭駅の前後を選択しました。智頭駅の短い停車時間では、ギリギリでした。それでも、わずかでも秋の匂いのする里山を走る40系でした。